災害を知ろう! Part.3 「理解を深める」
津波を正しく理解しよう!
皆さんは「津波(つなみ)」と聞いてどんな波を想像しますか? 映画のような数十~数百メートルの大波を想像される方が多いと思います。
しかしそれは正しくもあり一部で正しくありません。ここでは津波についての正しく理解し、現実の場面で正しく対処できるよう解説していきたいと思います。
※写真はイメージです。
1. 津波とは何なのか?
津波と通常の波はどう違うのでしょうか?
津波とは地震・火山噴火・地すべりなどの地質学的現象や隕石の落下などの天文学的現象が原因で引き起こされ、波長(波の山の周期)が数km~数十kmに及ぶものを指します。
波長が非常に長く連続しているため、勢いが衰えにくく繰り返して押し寄せる傾向があります。そして陸地に近づくにつれ波の高さが徐々に上がっていき、さらに浅い海岸付近にくると急激に波が高くなる特徴があります。
津波は波が引く場合にも強い力で長時間にわたり引き続けるため、破壊した家屋などの漂流物を一気に海中に引き込んでいくので、津波が引き終わるまで最大限の注意が必要です。
反対に風や台風などの気象現象が原因で起こるもので波長が数m~数十m程度のものは全て通常の波ということになります。
2. 日本列島と津波
日本列島は周囲が海に囲まれているため、津波による被害に度々見舞われてきました。一番古い津波の被害は、日本書紀に記録されている684年11月(天武13年10月)に起こった白鳳地震(M8.0~8.3)による津波で、土佐地方(現在の高知県)の海岸部で船流出の被害が多数あったとのことです。また被害が一番大きかったのは1896年の明治三陸地震に伴う津波で、東北地方の三陸沿岸で約2万2千人もの犠牲者が出ました。
前述の2つの津波は地震が主な原因でしたが、津波の発生には海底火山の噴火や海底地すべりなど様々な原因があります。
※写真はイメージです。
3. 津波発生の原因
すでに述べましたように津波が発生する原因には、地質学的要因と天文学的要因がありますが、隕石の落下などの天文学的要因はごく稀なものですので、ここでは地質学的要因について詳しく説明していきたいと思います。
地質学的要因には大きく分けて2つの要因があります。
① 地震性津波
文字通り、地震が原因となって発生する津波のことです。海底下約0~60km程度の比較的浅い場所で大規模な断層運動が発生すると、海底が隆起または沈降して、その変化に連動した形で海面が上下することにより津波が発生します。
この時、海面の変動(=波長)は断層運動にほぼ比例して起こるため、数km~数十kmに及ぶ波長が形成され四方に拡がっていきます。
※気象庁ホームページより引用
② 非地震性津波
地震以外が原因で起こる津波のことを「非地震性津波」と呼びます。
火山噴火や地すべりなどによって山体崩壊が起こり、それが原因で津波が発生します。非地震性津波は陸地で起きる山体崩壊が原因のものと海底で起きる山体崩壊が原因のものがあります。
日本において、陸地の山体崩壊が原因で起こった津波で最も被害が大きかったものは、1792年に起きた九州雲仙眉山の崩壊で、崩壊によって大量の土石流が一気に有明海に流れ込み、大津波を発生させました。この津波による犠牲者の数は約1万5千人と言われています。
海底火山の噴火が原因で起こった津波で有名なものは、2022年トンガ沖海底火山噴火による津波です。この津波の特徴は揺れの伴わない非常に珍しい津波で、日本では当初津波の心配はないと発表されましたが、のちに津波警報が発令され太平洋沿岸で最大1.1mの津波が観測されました。
この津波は海底火山の噴火による通常の津波と噴火の振動による大気の振動(ラム波)による共振のため、津波が増幅された可能性が指摘されており、今後の研究により更なる原因の解明が待たれています。
※写真はイメージです。
揺れが全くなかったからといって、津波が発生しないわけではありません。
皆さんも日頃から災害について常に新しい知識を取り入れていくよう努めてください!!
<ブログも随時更新中です‼ お楽しみに(^^)/ >
今日のまめ知識③(災害編)~津波地震について~
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