防災士が解説する「今日の防災豆知識 ⑱」 ~ 台風 について Par.2 ~
知ってるようで知らない台風のアレコレ
こんにちは! 防災士&災害備蓄管理士の Polkoです🐷
今日の防災豆知識は、知ってるようで知らない台風のアレコレです。
皆さんは台風の強さや大きさまたその特徴について何個具体的に挙げられるでしょうか?
台風についての具体的内容を一緒に見ていきましょう!
1. 台風の強さと大きさ
前回の豆知識では、熱帯低気圧の中心付近の平均風速が17.2m/s(風力8)以上になると台風と呼ばれることを解説しました。では台風の強さと大きさはどのように表されるのでしょうか?
●まず台風の強さは3つの階級に分けられます。
1. 「強い」… 最大風速が33~44m/s 未満
2. 「非常に強い」… 〃 44~54m/s 未満
3. 「猛烈な」… 〃 54m/s 以上
●そして台風の大きさの階級は2つです。
1. 「大型」… 風速15m/s 以上の半径が500~800km 未満
2. 「超大型」… 〃 800km 以上
以上のように定義されるため、例えば最大風速が33m/s未満で風速15m/sの半径が500km未満の場合、それはただ単に「台風」と呼ばれます。
●また実際の大きさに関しては下記に添付したような規模になります。
※気象庁ホームページ「台風について」より引用
2. 台風による被害
台風による被害は主に「風」と「雨」によってもたらされます。台風の風は一般的には、中心に近いほど強く中心から遠ざかるほど弱まるとされています。但し中心部分は台風の目といって雲がなく風も弱い状態になります。風速は計測地点での10分間の平均ですが、恐ろしいのは突風といわれるもので、平均風速の1.5~3倍の瞬間最大風速を記録することがあり、思わぬ被害をもたらす場合があります。
また台風は常に上昇気流と下降気流が発生しており、これらが発達して竜巻やダウンバーストを引き起こすことがあります。これらは台風周辺はもちろんのこと300km程度離れた場所でも発生することがありますので、注意が必要です。
一方台風の雨は、台風本体の雨雲によるものと台風が接近したことで起こる気流の変化により発生するものがあります。台風本体の雨雲は、水蒸気が上昇してある高度に達したときに冷やされて水滴になり雨となって降ってきます。この水蒸気→上昇→冷化→雨という一連の作用は台風の勢力が強くなるほど増していきますので、勢力が大きくなるほど猛烈な雨にさらされることになります。台風が日本列島に達すると反時計回りの台風の東~北東側の山の南東斜面で猛烈な雨が降り続くことがあります。
また台風周辺では秋雨前線が日本列島近くに停滞していた場合、台風との相乗効果で前線が刺激され長時間にわたり豪雨が続いたり、線状降水帯が発生して記録的な大雨になる恐れがあります。以上のことから台風・秋雨前線・太平洋高気圧の3つが揃った気圧配置のときは特に注意が必要です。
3. もう一つの被害
近年は被害が多いためメジャーになりつつありますが、台風の隠れた被害に「高潮」による被害があります。気圧を表す単位であるhPa(ヘクトパスカル)が1さがると海面が1㎝上昇します。また台風の東側ではコリオリの力により南風が強く、これにより海から陸への吹き寄せ効果が起こり高潮が発生します。この時に大潮の満潮(一番潮位が高いとき)が重なると護岸や防波堤を越え沿岸部が浸水する危険性が高くなります。
2018年9月の台風21号は最高潮位3.3mを記録して、関西国際空港のA滑走路が浸水し、強風と高潮でタンカーが流され空港連絡橋に衝突して、空港は一時全面封鎖・完全孤立状態となりました。
次回は台風以外の水害についての色々を解説したいと思います(^^)
※気象庁ホームページ「台風について」をご参照ください。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/index.html/