防災士が解説する「今日の防災豆知識 ⑪」 ~アウターライズ地震について~
海溝型大地震の後に起こりやすい「 アウターライズ地震 」
こんにちは! 防災士&災害備蓄管理士の Polkoです🐷
皆さんは「アウターライズ地震」という言葉を聞いたことがおありでしょうか?
今日の防災豆知識は「アウターライズ地震」について解説したいと思います。
1. アウターライズ地震とは?
日本列島の太平洋側の海溝部では、常に海洋プレートが大陸プレートの下へ潜り込んでおり、プレート同士の境界線付近で大陸プレートの引きずり込まれ(歪み)を元に戻そうとする反発が不定期的に発生します。この反発時に発生した揺れが地表に伝わると地震になります。
但し陸地プレートの反発によりすべての歪みが解消される訳ではなく、海洋プレート側にズレや割れが生じて地震を発生させることがあります。このズレや割れなどが海溝上縁隆起帯(アウターライズ)で発生するため、「アウターライズ地震」と呼ばれます。
2. アウターライズ地震の特徴
アウターライズ地震の特徴として、隆起の一番高い部分(海面からは一番浅いところ)が破壊されて起こる地震(正断面型)が最も多く、逆に隆起部分の地下深くが震源となる地震(逆断層型)は少ない傾向です。
この地震は海洋プレートの遠方部で発生することが多いため、陸地においては地震の揺れによる被害は少ない場合がほとんどですが、過去にはM8.0を超える地震もしばしば発生しており、津波による災害を引き起こしています。
また海溝型(プレート境界型)大地震の後に発生する可能性が高いので、このような地震の後には最大限の警戒が必要です。
3. 過去のアウターライズ地震
過去に起きたアウターライズ地震には以下の4つがあります。
1. 1933年の昭和三陸地震(M8.1) ※1896年に起きた明治三陸地震(M8.2)の37年後
2. 2007年の千島列島沖地震(M8.2) ※2006年に起きた千島列島沖地震(M7.9)の2か月後
3. 2012年のスマトラ島沖地震(M8.6) ※2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)の8年後
4. 2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の余震全般
4. 今後起こりうる可能性
前述のようにアウターライズ地震は、海溝型(プレート境界型)大地震の後に起こる可能性が高いですので、大地震の後には特に津波などに注意が必要です。
日頃から正しい知識を身につけて、いざという時に落ち着いて行動できるよう心掛けましょう!
<特集記事も随時更新中です‼ お楽しみに(^^)/ >
災害を知ろう! Part.9「余震について」
https://leisurely-home.com/feature_post/lets_learn_about_disasters-part-9/