防災士が解説する「今日の豆知識 ⑥(災害編)」 ~津波による被害の種類~
津波の被害は2種類
こんにちは! 防災士&災害備蓄管理士の Polkoです🐷
ここ2日曇天が続いています。(曇りのときは湿度が高いですね…)
今日のまめ知識(災害編)は、津波被害の種類についてです。津波の被害には津波が直接的な原因となった1次被害と、その被害が原因で起こる2次被害があります。
1.直接的な被害(1次被害)
津波が原因で起こる被害(1次被害)は以下のようなものがあります。
①人的被害・・・無防備または避難遅れに伴う溺死、けが、病気など
②家屋被害・・・波力による破壊、浸水、流出など
③防災構造物被害・・・波力による破壊、浸水、堆積など
※防災構造物とは災害を防ぐために建造された防波堤やスノーシェルターなどを言う。
④ライフライン被害・・・波力による破壊、浸水など
⑤水産業被害・・・船舶、養殖筏、漁網の破損や流出
⑥商工業被害・・・製品や原材料物の破損や浸水
⑦農業被害・・・作物や農地、用水路などの破壊、海水侵入による塩害や土砂堆積
⑧森林被害・・・幹の折れや破損、海水侵入による塩害
また1次被害は①の人的被害と②以下の物的被害に大別されます。①の津波による人的被害は、防災インフラの整備や避難によって防ぐことができる場合がほとんどですので、日頃からの備えや訓練などがとても重要になってきます。
物的被害は避難や訓練などのソフト面で防ぐことは成り立ちの上でかなり難しく、津波に負けない頑丈なものや津波に越えられないものを作ったり、そもそも被害予想地区に作らないなどハード面での対応が求められます。
2.間接的な被害(2次被害)
津波の被害が原因で起こる2次被害には以下のようなものがあります。
①火災・・・漂流物の衝突や漏電などによる
②石油や化学薬品などの流出・・・漂流物衝突に伴うコンビナートの破壊および流出
上記のうち火災は、物的被害のみならず人的被害を及ぼす可能性があるという点で特に注意が必要です。1993年に起こった北海道南西沖地震では、大津波に襲われた奥尻島でまず2件の火災発生したのち、しだいに燃え広がり192棟の民家が焼失しました。また2011年の東日本大震災では気仙沼市で津波直後に発生した市街地での火災が、燃料タンクから流出した油に引火し、10万㎡以上の海上火災に発展しました。
このように1次被害が発生したのちに、新たに火災が発生してさらに被害が拡大することがありますので、津波で人的被害が出なかったからといって決して安心せず、2次被害が出ないように対策を講じて身を守る行動をとることが大切です!
※写真はイメージです。
<特集記事も随時更新中です‼ お楽しみに(^^)/ >
災害を知ろう! Part.6「津波に強い街づくり」
https://leisurely-home.com/feature_post/lets_learn_about_disasters-part-6/